• テキストサイズ

バラの花を数えましょう

第3章 出会い


「なんでよ」

ジト目で、不機嫌オーラ丸出しの浦原に聞くつられ。浦原の視線は、自然と彼女に馴れ馴れしく繋いでいる京楽の手。怒りが先に出てしまい、つられの言葉が届かない。そんな、必死な彼を横目で見て、ため息をつき口を開く夜一。

「山本総隊長より、命令がくだったのじゃ。十二番隊は、これから流魂街の外れにある森に、現れた虚退治じゃ」
「流魂街の外れ?そう…なら、しょうがないわね」

仕事なら。と、京楽と握り合っていた手を解こうとしたが、京楽は、それを許さない。それどころか、彼女の手を引っ張って、抱き寄せる。つられの頭は、真っ白になった。そして、彼女の耳元で、優しく何かを呟く。

つられは、嬉しそうに微笑んでから京楽のそばから離れた。

それを見て、浦原はつられの腕を引っ張りスタスタと行ってしまう。

「痛いっ!わかったから、行くから!ちょっと!痛いってば!」

「良いから!早く!」

文句を言いながら、浦原は彼女の手をけして離さない。

残された京楽、夜一、リサは、溜息が溢れる。

「あんた、つられになんてゆうたん?」

リサが、腕を組みながら彼に問い質す。

「いや?僕は、一言『淋しくなったら、僕のところへおいで』って、言っただけ」

その答えに、リサはアホらしい。と、呟いて隊舎へと戻って行った。

「あ、待ってよ!リサちゃん」

「来るな、アホが移る!」

「そんなぁ〜」

リサの後を追う京楽。

「全く…喜助もつられも…世話がやけるのう」

本日二回目の溜息を零してから、夜一は部屋に戻る。

/ 56ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp