第3章 出会い
「はぁ…」
「どないしたん?溜息なんて、つられらしくない」
隊長会議の間、ヒマな副隊長たち。そんな中、つられは大きく溜息をついた。
「べーつーにぃ?」
「昨晩は、結構盛り上がったようやな」
「は?」
寝不足もあり、不機嫌なつられに真顔でリサは、自分の首筋をトントン。と、指差した。
「真っ赤なバラが咲いてるで」
嫌な予感がして、素早くコンパクトで映して見ると。
そこには、くっきりと綺麗なキスマークが咲いていた。
「喜助のやつぅ〜!」
ゴシゴシッ!と、首筋が真っ赤になるまで擦るつられ。そんな、彼女を呆れ顔で見つめるリサであった。
「もう!コレ、全然取れないじゃない!3週間じゃなくて、3カ月にしてやろうかしら!」
「別に、ええやんけ。付き合ってるんやろ?」
「あん?誰が」
けして、コンパクトから目を離さないままリサに不機嫌そうに呟く。
「やから、あんたとあんの緩そうな隊長さん」
「喜助と私が?はっ…なんの冗談」
思わず、鼻で笑ってしまうつられ。
「え?付き合ってへんの?」
「当たり前でしょ?」
「当たり前て…。じゃあ、好きでもないのに寝たん?!」
「リサ…声でかい」
隣では、隊長会議が行われてるのを忘れていた。リサは、慌てて自分の口に手を当てる。
「私は、ムキムキでぇ、優しくてぇ、お金持ちでぇ〜」
「わかったわかったから、その口閉じんかい!」
「そうね!京楽隊長みたいな人かしら」
「とーじーろぉぉ」
ニッコリ微笑むつられの口を手で塞ぐリサ。
「ウチの隊長は、辞めておいた方がええで」
「なんで?」
「ロクでもないから」
「リサちゃん、それはないでしょ〜」
聞き覚えのある明るい声に、振り返るつられと、リサ。
そこには、京楽と浮竹の姿があった。
どうやら、隊長会議は大分早く終わったらしい。
「僕のこと気に入ってくれてるかな?」
先ほどまでの2人の会話が聞こえていたみたいだ。
「はい、ステキです」
彼女の、微笑みを見て惚れなかった男などいない。隣にいた浮竹も、一瞬ドキッとした。
「じゃあ、これから僕と遊ばないかい?」
「ぜひ♡」
「駄目ッスよ」
これまた振り返ると、そこには怒っている浦原とニヤニヤ笑っている夜一が立っていた。