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バラの花を数えましょう

第3章 出会い


此処は、精霊邸から少し離れた流魂街。

此処に、虚が現れたと言う情報を得て、浦原喜助率いる十二番隊が闘っていた。

「啼け!紅姫!」

最後の一匹を始末してからふと後ろを向くと。

「つられっ?!」

目の前には、片腕から血を流しているつられの姿。

「私なら、平気」

油断した。と、悔しそうに歯を食いしばった。

「良かった…対した怪我じゃなくて…」

浦原は、心底安心した表情を浮かばせた。

「怪我ない?」

つられにベッタリとくっついている、齢15の少女に浦原は首を傾げた。

「つられ…?この子は?」

「虚に襲われそうになってて…」

ああ、だから怪我を…戦闘は、隊長並みの彼女が怪我を負うなんて、おかしいと思った。

「貴女、お名前は?」

浦原が、話しかけると少女は怯えながらつられの死覇装をギュッと握りしめた。

その時、つられの頭にある記憶がフラッシュバックする。

この子も、私と同じなんだと感じた。

「喜助、私この子連れて行く」

「えぇえええええええええ!?イヤイヤ!無理ッスよ!?連れて帰ってどうするんッスか?!」

「私の弟子にするわ」

「つられ!?それ、今とっさに言いましたね…」

「じゃあ、聞くけど子供の時の私を連れて帰ったわよね?愛を知らない私に愛を教えてくれたわよね?この子も、私と一緒なの愛を教えてあげないと、わかる?分かってくれたのね、ありがとう喜助!愛してるわー」

後半やや早口で、棒読みのつられ。

そう、つられは、丁度この子と同じ歳の頃に花街の付近で、浦原に拾われていたのだ。

「し、知りませんからネ?!」

「大丈夫よ、私が守ってあげる」

優しくつられは、微笑んでいた。

その微笑みに幼い少女でも、信用していいのだと確信した。。。
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