第9章 女の気持ちがわからない
〜つられin12番隊隊舎〜
「へぇー、13隊の隊舎て初めて来たよ」
「狭いところですが…すぐに準備しますから、待っててください」
「はいはい」
つられの部屋に着くと、京楽は部屋の前の縁側に腰掛けた。そこに、、、。
「おかあさん?」
パタパタ。と、コチラに走ってくる魅甘と阿近。
「あ、ただいま!」
「おかえりなさい!……おじさんだあれ?」
「こら!魅甘!だめでしょ!敬語使いなさい」
ゴメンなさい。と、謝る魅甘に京楽は、笑いながら魅甘の頭を優しく撫でた。
「気にしなさんな。僕は、京楽 春水て、言うんだよ。この前会ったけど、忘れちゃったかな?」
「ごめんなしゃい」
魅甘の言葉にいいよ。と、答える京楽。
「おかあさん、おとうさんは?」
「お父さん?」
思わず、オウム返ししてしまう京楽。視線は、つられに向かう。つられは、荷物をリュックに詰めて斬魄刀を手にした。
「お母さんなのかい?」
「え?ああ、最初に話してくれた言葉がそれで、きす…浦原隊長も気にしないでいいんじゃないかぁ。て、呼ばせてますね」
「へぇ〜僕もつられちゃんの旦那様になりたいね」
京楽の軽はずみの言葉に、もぉーと笑うつられ。繋いでいた、阿近の手を離して、彼女に抱っこをせがむ魅甘。
「おかあさんと、おとうさんは、みーのなの!おじさんは、だめ!」
あっかんべーをする魅甘を叱りつつ抱っこをしてやる。
「ごめんなさい!京楽隊長、この子ホント最近甘えん坊で…ホラ、阿近とあっちで遊んでおいで」
「やだぁ!おかあさん、どこに行くの?」
「お仕事、2日間」
「みーも、行く!!」
「だぁめ!危ないから」
「やだぁあ」
うわぁぁあん。と、泣き出す魅甘。
「喜助!お父さんなら、いるわよ?」
「やだぁあー」
この場にもし、浦原がいたら完全な泣いているだろう。と、つられは、思うのだった。
「魅甘、俺がいる。大丈夫だから、つられ姉ちゃんから離れろ」
「…ぅん」
最近、魅甘は阿近の言うことしか聞かない。困ったものだ。
「魅甘のことは、俺に任して行ってきてください」
「任せた」
優しく阿近の頭をなでてやる。
「じゃあ、行ってきます」