第9章 女の気持ちがわからない
彼女は、思いっきり喜助に抱きついてキスをした。コレには、リサと京楽と驚く。
キスをしてから、名残惜しそうに浦原から離れないつられ。
「行ってくるね…」
浦原は、小さな彼女の背中に腕を回して抱きしめた。
「早く帰ってきてください」
「寂しいから?」
「当たり前じゃないッスか」
「ふふ…あ、魅甘たちのコトよろしくね」
「はい…じゃあ、これ以上抱き締めてると、つられを行かせたくなくなるので…離れますね」
「うん…行ってきます」
2度目の行ってきます。に、笑顔で応える浦原。
「いってらっしゃい」
そのまま、つられの仕事の準備に13番隊に戻る。
「彼女のことは、僕に任せてね」
何処か意味深な言葉に、イラつきを覚える浦原。
「待ってよ〜つられちゃん」
嬉しそうにつられの後を追う。遠くの方で、笑い合うつられを見て、胸がチクリ痛み出す。
「アンタ、つられのこと本気で惚れてるんやね」
「そうッスね…」
「どーもええけど、サッサと仕事終わらせるで!!あたしは、つられと違って厳しいで!!」
ホラ!と、後ろから死覇装を引っ張り歩くリサ。
「わっ!わっ!ちょっと、待ってください!…痛い!」
体勢を崩してしまい、後ろに尻餅をついた。
「ホント、とろいわ!コレが、つられの隣に居るて…怒り通り越して、腹立つわ!!」
「え?なんで、つられの名前がそこで出てくるんスか?」
「うるさいねん!サッサと、立ち上がれや!アホ」
「何処に行くんスか?」
「総隊長と2番隊の隊長さんの命令で、蛆虫の巣に行ってある人を12番隊の3席にすること。。。名前は、涅マユリ」
その言葉に、驚きを隠せない浦原。行動がとろ過ぎる浦原の、お尻を蹴りあげて、引きずるリサ。
「そういえば、ウチの奥さんと京楽サンはなんの仕事に?」
「確か、流魂街の外れにある色街に出現した虚の討伐や」
リサの言葉に、目を見開く浦原。
「色街?!ソレって…」
思わず、立ち上がる浦原に、目を据わらせるリサ。
「そこまで、深くまで知らんけどな。あたしたちも行くで」
「ちょっ!やっぱり、僕が行きます!」
「ダメや!サッサと、行くで!」
そのまま、2人は蛆虫の巣に向かった。