第9章 女の気持ちがわからない
生き返った浦原と、食事を取り浦原とつられは、仕事に出掛けた。
「あの2人大丈夫ッスかね?まだ、小さいのに…」
「大丈夫よ、阿近もいるんだし」
「でも…」
「もう、心配症なんだから。しっかりしてよね、ダンナ様」
『ダンナ様』と言う単語に、再び嬉しそうに反応する浦原。そんな、話しをしながら歩いていると向こう側から、京楽とリサがやって来た。
「あ、いたいた。浦原隊長と、つられちゃん!」
「京楽隊長とリサじゃないですか。どうかなさりました?」
「どうかなさりました?じゃないわ!このアホッ!今日の隊長会議なんで、来なかなってん!?」
「あれれれ?今日って、隊長会議の日でしたっけ?スミマセン、完全に寝坊したッスね」
リサの激怒の訳は、あとにしてアハハ。と笑う浦原。
「山じぃ…怒ってたよぉ。罰として、つられちゃんと僕がお仕事だよ」
「へ?なんで私と京楽隊長?」
「戦闘力やろ。なんなら、あたしとつられで充分な筈やのに…」
「仕方ないよ。つられちゃんの戦闘能力は、隊長クラス…卍解が使えていたら、即隊長コースだからね」
そう、彼女、つられはとても強いのだ。体術、剣術、は、みっちり夜一と、浦原が特訓してくれたおかげで、ここまで成長した。
しかし、浦原はあまり彼女を戦場に出したくないのだ。コレには、別の理由があった。それは、今は語らないでおこう。
「じゃあ!僕と、つられで行ってきます!」
「それがねぇー。今回は、僕が指名されちゃってね…。浦原隊長には、違うことを任せたいみたいだよ。リサちゃんは、それのお手伝い」
「そ、そんな…」
不安そうな、浦原につられは思わず彼にデコピンをした。
「私のこと信じて待っててよ、これでもアナタの弟子なのよ?」
「はい、分かりました…」
「期間は、2日間だよ」
京楽が、口を開いた。期間を聞いて浦原は、再び不安になる。
「そうですか…じゃあ、急いで準備してきますね」
「あ、僕もついて行くよ」
「そんな、刀と衣服類だけですから」
「良いんだよ。今は、僕がキミの隊長なんだから」
「はい!」
笑顔で答えるつられに、浦原の中で嫉妬や不安が黒い渦のようにグルグルと回っていた。
「喜助!」