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バラの花を数えましょう

第8章 クリスマス企画



一方、観覧車の下のツリーを見にを見に来ていた修兵と、魅甘。

肌に突き刺さる寒さに、耐えきれず修兵は、魅甘の手を握りしめた。

「冷たッ!!」

急に手を握られて驚く魅甘。けれど、修兵はニカッと微笑む。

「もう、修兵さん!驚きました!」

「悪い悪い、お前お子様体温だからな。あったかい」

「私が、寒いですよ」

「そっか、じゃあこうするわ」

修兵は、自分の手と一緒に魅甘の手を自分のダウンのポケットに手を入れた。

ポケットの中は、ほんわかしていて、すごく暖かった。

普通なら、好きな人にこんなことされて喜ぶ筈なのに…何故か、嬉しく思えなかった。

いや、嬉しいんだが今は違うことで頭がいっぱいで、湯気が出てきそうな魅甘。

そんな、彼女を見ていると先程のつられの言葉が気になる。

『捨てられるかもね』

駄目だと頭の中で、抹消しても心がいうことを聞いてくれない…。

「魅甘、なんかあったのか?」

「え?」

「ちゃんと話そうぜ…」

修兵の瞳は、まっすぐに魅甘を見つめていた。

「あの、、、私…あ、あっ…阿近さんといつも過ごしてたの…クリスマス…」

「うん」

「小さな頃から、隣に居て当たり前の人だから…なんか違和感があって…」

「魅甘は、阿近の奴が好きなのか?」

「わからない…でも、今日は今日だけは…あっくんと過ごしたいッ!だから、、、ごめんなさい!」

ーぎゅぅ

修兵は、魅甘のことを優しく包み込んだ。

「修兵さん?…怒ってる…よね」

「怒ってるさ…怒ってる!!でも、魅甘が俺と過ごしたい。て、思ってないなら、それは無意味だ。」

魅甘の耳元で、歯を食いしばる音が聞こえた。

「行けよ」

「え?……良いの?」

「俺の気が変わる前に行け」

「うん!ありがとう!!」

魅甘は、繋いでいた修兵の手を離して1度も振り向かず瀞霊廷に戻る。

1人残された修兵は、、、。

「愛してるぞ…魅甘」

小さく呟いた。
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