第8章 クリスマス企画
〜遊園地・浦原とつられ〜
ホテルから、少しだけ離れた場所に遊園地がある今、クリスマスシーズンの為イルミネーションが、すごく綺麗なのだ。
そして、遊園地の目玉は、巨大なツリーだ。色鮮やかに光り輝いていて、恋人たちが写真などを、撮りにきている。
「クリスマスだからッスかね、すごい人だ」
「そうね」
「大丈夫ッスか?もし、疲れてるならホテルに戻りますか?」
混んでは、いるがあと数分で乗れそうだ。つられは、浦原の手を掴み笑顔を見せた。
でも、それは何処か儚げな笑顔で…浦原は、一瞬で彼女になにかあったのだと知る。
「つられ?」
「私…幸せな女だな」
「急に、どうしたんスか?」
「ううん、なんとなく」
そんな雑談をしている間に、浦原とつられの番が回ってきた。浦原は、先に観覧車に乗り彼女に手を差し伸べる。
つられは、浦原の、手に捕まり観覧車に乗った。2人は、向き合う形で座っていた。
「いやぁー、すごい人ッスね。早めに乗れて良かった」
「そうね。そうだ、知ってる?ココの観覧車てね、頂点でキスするとその人たちは、ずっと一緒にいられるんだって」
この話しを聞いた浦原は、嬉しそうに彼女の隣に腰掛けた。一瞬、グラッと観覧車が傾きつられは、驚き浦原に抱き着いた。
「もう…バカ、驚くでしょ?」
離れようとするが、彼は、それを許さない。
「つられ…愛してるッス」
唇を、奪われたつられ。いつもなら、すぐ離されるが彼女だが、浦原の首に腕を巻き付けて、まるで自分から求めているように見えた。
やっと、唇が離れて銀色の糸が名残惜しそうに消えていった。
「まだ、頂点に着いてないのにキスしちゃったね」
あは。と、微笑むがやはりいつもの彼女じゃない。浦原は、彼女の手を握り締めて、顔を覗き込んだ。
「なにかあったんスか?」
「なんにも…」
「嘘つき…何100年貴女のことを見ていると思ってるんですか?」
「じゃあ…聞くね…」
「はい」
「あの…私の幼少の頃の記憶消してない?」
「…え?」