第8章 クリスマス企画
〜現世・ホテル〜
「着きましたよ!私と、魅甘はチェックインしに行きましょう!つられと、檜佐木サンは、そこのソファーで休んでいて下さい」
「あーい」
「ありがとうございます」
「いえいえ♪魅甘、行きましょう」
「あ、うん!」
とりあえず、ふかふかのソファーに座るつられと修兵。
「あのぉ…つられさん」
「なぁに」
テーブルにあった雑誌を手に取りながら、返事をする。
「魅甘…様子が変じゃないですか?なんか…元気ないみたいな」
「ほほう、魅甘を渡すのにまだ早いと思ってたケド、アンタそこそこ魅甘のコト見てるのね…+45点」
「なんですか?その点数…」
「アンタの点数よ。100点になったら魅甘と付き合うコト認めてあげる」
けして、雑誌から目を離さずに話しを進める。
「あ…まだ認められてなかったんですね」
「私ならまだイイわよ。喜助なんか………やっぱり、なんでもないわ」
「意味深なところで止めないで下さいよ!!!」
パシッ。と、雑誌を閉じてテーブルに置くつられ。
「多分、アンタ…捨てられるかもね」
「え?」
「それは…どうい…」
「つられ〜♡スイートルーム取れましたよ」
修兵の言葉を遮って、浦原ののほほんとした声が耳に届いた。つられは、立ち上がり浦原の方に走って行く。が、途中でどうかしたのか、しゃがみ込んでしまう。
「つられ?!」
一番に反応したのは、やはり浦原。慌てて、彼女の元に走り出す。
「ごめん、立ちくらみ…」
浦原の手に掴み、立ち上がるつられ。
「部屋で休みますか?」
「大丈夫…それより、喜助行きたいところがあるの…」
「どこッスか?つられが、行きたいところなら何処でも…行きます」
「ありがとう…遊園地の観覧車にね…乗りたいの」
「わかりました」
浦原に、ありがとう。と、呟いて立ち上がる。
「魅甘たちは、どうしますか?」
「遊園地のツリーが、キレイらしいわよ」
「そうですね!じゃあ、俺たちはツリーを見に行ってきますね!」
行こう!魅甘!と、魅甘の手を引いてホテルを後にした。
「珍しいわね」
「ん?なんのことでしょ」
「あの子達を2人きりにするなんて」
「まぁ、なんかあったら…」
「怖い怖い」