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バラの花を数えましょう

第8章 クリスマス企画



〜クリスマス・イヴ〜

つられたちは、仕事も今年のモノを全部終わらせて現世でゆっくりしようか。と、考えていた。現世で有名なホテルに宿泊するつもりだ。クリスマスツリーが、凄く綺麗らしい。

ウキウキの浦原と、つられは、旅行バックに荷物を入れていた。

しかし、魅甘は1人浮かない顔をして小さい頃からずっとお気に入りの縁側に腰を掛けた。相部屋のつられは、ずっと襖を閉じないで空を見上げている魅甘に声を掛けた。

「魅甘…」

「んー?」

「寒い」

もう12月の夜だ。寒いのは、当たり前。魅甘は、ごめん!と立ち上がろうとするが、つられは魅甘の隣に腰掛けて頭を撫でる。

「なんかあったの?」

「え?なんでわかるの?」

「何100年アンタの親やってると思ってるのよ」

「んー…なんか、あっくんのことがよく分からなくなってきた」

「あっくん?ああ、阿近ね…それで?」

魅甘は、ふぅーと息を吐くとその息は、白く煙の様に天に向かって行った。

「近づくな…」

「え?」

「近づくなて、言われたの…私、あっくんに嫌なことしちゃったのかな?」

「でも、魅甘が好きなのって檜佐木くんなんじゃないの?」

「…そうだよね、、、私が好きなのは修兵さんだよね…」

「じゃあ、阿近に嫌われてもなんともないんじゃない?ふつーなら…」

「あっくんには、嫌われたくない!!」

突然、大きな声を出す魅甘に目を丸くするつられ。

「魅甘…アンタ…」

「あっくんは、お兄ちゃんみたいな感じだもん…ずっと一緒にいた人だもん…嫌だよ…このまま終わるの」

話の内容からしたら、恋人の話しを聞いているようだ。ふと、つられは、魅甘の顔を覗き込むと。

彼女は、大粒の涙を流していた。

「ちょ…魅甘?」

「あっくんに嫌われたくないぃぃい」

「分かったから、泣かないの」

着物の袖で、彼女の涙を拭いてやる。

「なんか、泣いたらスッキリした」

「良かったわね」

クスクスと、微笑む。

「じゃあ、私は喜助を呼んでくるから。そろそろお腹すいたし、ご飯にしましょ」

「うん」

2人のやり取りをこっそりと、聞いてしまっていた男が1人。。。
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