第7章 家族の想い出
〜 つられin12番隊舎〜
「おかあさん、おとうさんまだかな?」
お気に入りの縁側に腰掛けて、んーっと背伸びをする魅甘。転んだおでこは、消毒だけしておいた。
「そうね、遅いわね…あの人なにしてるんだか」
魅甘の朝ごはんの後片付けをしていたつられは、濡れた手をエプロンで拭く。
「ねね?おかあさん?」
足をパタパタさせて、コチラを振り返る魅甘。
「なぁに?」
「おかあさんは、おとうさんのことすき?」
ズルッと、思わず転びそうになる質問だった。。。
「ねね、すきなの?」
「みーかん!そう言うことは、もう少し大人になってから話しましょ」
「はぁい」
手を挙げて、大きく返事をする魅甘に、よしよしと頭を撫でていた。
その時だ、ダッダッダッダッと、コチラに向かって来る足跡が聞こえてきたと思えば、浦原が全力疾走で帰ってきた。
つられは、立ち上がりきょとんとした表情で、彼を見つめた。
浦原は、凄い汗をかいた。
「喜助?どうしたの?」
凄い汗と、付け足して、彼の頬に手を伸ばすが力強く握られる。
「喜助?」
「なんで黙ってたんスか?」
「なにを?」
「噂…」
『噂』と、言う単語を聞いた瞬間つられは、目を逸らした。
「魅甘…お薬持って隣の部屋に居なさい」
4番隊から、貰った塗り薬を魅甘に渡してた。
「は、はぁい」
部屋に閉じこもる魅甘。つられは、浦原の朝ごはんの用意をしようと台所に戻ろうとしたが、手を握られた。
「なに?」
「なにじゃなくて!!答えてください」
声を上げる浦原。。。
「あの噂、本当なんですか?」
「ウワサウワサ…って、なんなの?」
つられて、つられの声も上げる。
「魅甘を12番隊に置くって、総隊長に頼み込んだそうッスね」
「それが、なにか?山本総隊長様は、快く受け入れてくれたわよ」
「その総隊長サマと、寝たって聞いたんッスよ!!」
「……はぁ?」
つられは、思わず目を据わらせた。