第7章 家族の想い出
〜浦原in4番隊〜
書類を急いで4番隊に提出してから、卯ノ花に塗り薬を貰いに行こうとした。
しかし、卯ノ花と副隊長の山田 清之助は、何処にもいない。4番隊は、とても広くて迷っていた。今にも、愛する魅甘が怪我を負って死にそうなのに…と、内心焦る浦原←転んだだけ。
思わず、瞬歩で廊下を走ろうとした瞬間。
「あら、浦原隊長。どうかなさってたんですか?」
「うのはっ!!!」
目の前から、探していた卯ノ花と山田が現れ、卯ノ花に気を取られた瞬間。ドンッ!と、鈍い音が響く。壁に激突したのだった。
「浦原隊長?一体どうしたのですか?」
優しく微笑む卯ノ花と、鼻から血を出して、浦原は立ち上がる。
「塗り薬を1つ下さい」
「あら、ご自分のですか?鼻血は、塗り薬より冷やした方が…」
「違います!娘が、怪我をしまして…その薬を…」
「あ、噂の…」
「噂?」
あっ…。と、一瞬瞳を大きくさせてから、我に返ったように医務室まで、案内された。ついでに、鼻血の手当てを受けていると、浦原は、先ほどの『噂』が、気になる。
「あのぉ…」
「はい?」
優しい微笑みが、まるで彼になにも聞くな。と、言っているようだ。しかし、浦原は勇気を出して聞いてみる。
「さっきの噂…て」
卯ノ花は、観念したように『噂』を話し出した。。。
「え…」
「嘘か、本当か分かりませんが…そのような噂を耳にしまして…」
驚いて鼻血まで、止まった浦原。
「まぁ、あの副隊長さんならありえそうですけど」
卯ノ花の隣にいた副隊長の山田が、クスリッと笑う。それの言葉に、浦原の中のなにかが壊れた。気が付くと、彼は、山田の胸ぐらを掴み上げ壁に押さえ付けていた。
「浦原隊長!!」
思わず、卯ノ花が声を上げる。が、浦原の耳には届かない。
コイツを実験体にしてやろうか。と、内心考えていた。
「あれれ?ムキになるってことは、認めちゃうんですね」
胸ぐらを掴み上げ壁に押さえ付けられているのに、顔色一つ変えず拳を握りしめる浦原。
「おやめなさい!!!」
卯ノ花の声に、我に返った浦原。掴みあげていた手を緩めた。
「スミマセン…薬ありがとうございます。失礼します…」
そのまま、浦原はなんとも言えない想いを抱えて12番隊隊舎に戻ったのだ。。。