第7章 家族の想い出
〜1週間後・12番隊隊舎・朝礼〜
「えっとぉ…話は、以上ッス。今日も、1日頑張って下さい」
このゆるゆるな隊長を、命懸けで護るのがつられの副官のお仕事。
朝礼も終わったことだし、魅甘を連れて朝の散歩でも行こうか。などと、考えていた。。。
前を向くと、キャッキャ笑いながら庭にいる蝶を追いかける魅甘の姿が目に飛び込んで来た。
微笑ましい光景だが、次の瞬間蝶に夢中で、足元の石に躓いて転ぶ魅甘。
あちゃー…泣くな、ありゃあ。と、内心思った。が、魅甘は強い子なのか、立ち上がりつられの方を見つけて、庭から縁側を乗り越えようとしたが、再び転ぶ。
良く転ぶ子だ。。。
そのまま、つられの元まで走って彼女の胸に飛び込む。
「偉いね…泣かなかっ…」
「うぇえええええええん…いたいよぉぉお」
ぴぇええええええ。と、大粒の涙を流す魅甘。
そんな、魅甘を抱き上げるつられであった。
「ありゃあ…おでこ擦りむいちゃってますね。4番隊に書類渡す予定があったんで、その時に塗り薬でももらってきますね」
「ごめんね、喜助。ソレ、私の仕事なのに」
「構いませんよ。じゃあ、行ってきます。魅甘も、あんまり泣いてつられのこと困らせたら駄目ッスよ?ほら、笑って?折角の美人さんが台無しッス」
チュッ。と、魅甘のおでこにキスを落とす浦原。そのまま、書類を持って、4番隊に向かう浦原。
「おとうさんにチュッされたぁ…」
困ったような表情を浮かばせる。
「おとうさんのチュッは、いや?」
「うーん…おとうさんのちゅぅは、おかあさんのだからダメなの!」
おでこを撫でながら、呟く魅甘が可愛すぎて、思わずほっぺたにキスを落とした。。。