第6章 家族だから
〜瀞霊廷〜
今日、非番の為つられは、この前現世の出張に行った時に買った胸元が開いた白いニットのワンピースに、茶色いブーツを履いていた。
魅甘は、まだ来たばかりで衣服がないので、呉服屋に向かっていた。この前京楽が、教えてくれた高級な呉服屋だ。名前を『風凛』という。
本当は、現世で可愛い服とかの方が喜ぶのに…。と、内心思ったが致し方ない。
「つられ」
聞き覚えのある声が、背後からして振り返る。そこには、リサと京楽の姿が見えた。
「リサと京楽隊長じゃないですか。お昼休みですか?」
「そうだよ〜それにしても、つられちゃんの服可愛いじゃないの…ふわふわしてそうだね」
明らかに、胸を見ながら話している。
「相変わらず、派手な服やな。1発で、つられてわかったわ」
ずっと、つられの胸元に釘付けな京楽に、リサが無言で彼の足を思いっきり踏みつけた。
「まぁね、可愛いでしょ」
「つられは、男絡みがなければええ子なんやけどな」
「うるさい」
リサの視線は、下でつられの手を握り締めて、隠れる魅甘の姿。つられと、浦原以外の者に慣れていな為ビクビクしている。
リサは、しゃがみこみ魅甘の頭を優しく撫でてやった。
「アンタ、幸せモノやで…つられに拾ってもらえるなんて」
「あぅ?」
「あたしの自慢の親友やからな」
「あひゃー!」
嬉しそうに、リサに飛びつく。
「可愛いでしょ、私の娘」
「そうやな、変なところ似ないとええけど」
「あら?変なところてどこかしら?」
「自分でわからないなら、もう終わりやな」
「リーサッ」
キィっ!と、リサを睨むがすぐに笑ってしまう。つられにつられて、クスクス笑ってしまうリサであった。