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バラの花を数えましょう

第6章 家族だから



〜in 台所〜

「よし、ご飯出来た」

あとは、お寝坊さんの浦原とソレを起こしに行った魅甘を待つだけ。

「大丈夫よね、起こしに行っただけだし」

ふぅー。と、ため息をついた。

「遅れてスミマセン!」

「大丈…っぶ?!」

思わず、浦原の顔を見て吹き出すつられ。それも、そのはずそこには、片目に青あざを付けヘラヘラと笑いながら、魅甘に手を引っ張られる自称 ダンナ様がいた。自称ね。

「どうしたの?」

席についた浦原に、心配そうに彼の頬に手を当てる。魅甘は、人仕事終わったと言う、達成感を味わいながら、1人用意された朝ごはんをありつく。余程、お腹が空いていたのだろう。

「いやぁ…魅甘に…スパナで」

「魅甘が?!」

え?!と、驚きながら魅甘の方を見つめるが彼女は、ニコニコと笑う。天使にしか見えない。。。

「まぁ、早く起きない喜助が悪いわね」

「酷いッ!!」

「魅甘、ご飯美味しい?」

泣きそうな、浦原にデコピンをして席につき何も無かったようにご飯を食べるつられ。

浦原は、胸に大きな穴が空いたような気持ちになりながらつられが、用意した朝ごはんを食べた。

「今日は、私非番だから魅甘の面倒見ておくわ」

寝巻きから死覇装に着替えて、隊長羽織を用意するつられ。

「あー…僕も、非番が良かったぁ…そしたら、家族団らんできたのに…可愛い妻と子供と一緒に…」

「可愛いだけもらっておくわ」

「妻ももらってください」

「遠慮します」

冷たいッスね…。と、つられが用意した隊長羽織を着せてもらう。

「行ってらしゃい」

そう、送り出そうとすると、手を引っ張られ気がついた時には彼の胸の中。

「行ってらしゃいのキスは、なしッスか?」

「ハイハイ…仕方なの無い人ね」

頑張って背伸びをして、彼にキス落とす。浦原は、その背伸びが愛おしくて、いや彼女の全てが愛おしくてこんなに甘えてしまうのかもしれない。ギュッと、つられの小さく力を入れたら折れてしまいそうな体を抱きしめた。

彼女も、彼女で満更でもなさそうに彼の胸板に頬をスリ寄せた。

「あ〜…仕事行きたくないッス」

「行ってください」

「…ハイ」

不満そうに、彼女から離れる。

「じゃあ、行ってきます」

「頑張ってね」
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