第5章 🎃ハロウィン🎃
「はろうぃん?」
聞いたことのない名前に、魅甘は首を傾げた。
「ハロウィンね。なんだっけ?現世のお祭りみたいな感じかしら
…好きな仮装とかして、お菓子かイタズラかて、言って驚かすのよね」
「お祭り!」
つられの適当な説明を、聞いてクリクリな目をキラキラと光らせる。そんな、彼女につられは優しく笑みが溢れた。
「やりたいの?」
そう、つられは魅甘に尋ねた。すると、待ってましたと言わんばかりに、可愛らしい笑顔を向けた。
「やりたい!」
「じゃあ、まず衣装と料理よね」
後、誰を呼ぶか…。と、付け足した。サクサクと、事を進めるつられと、魅甘。
「衣装は、任せて!」
「魅甘が、衣装なら私は、料理頑張っちゃおうかな。あと、リサとか呼ぶか」
「いい!絶対楽しい」
「あのぉ…ソレってボクも参加ッスか?」
「わたしは、遠慮するヨ」
「喜助は、私と料理手伝ってね。」
浦原の言葉をガン無視で、つられは首を傾げる。
「え?いやぁー、最近忙しくて」
遠回りで、嫌だと言いたい浦原だがそれをつられが許さない。可愛い笑顔なんだが、目が笑っていない。怖すぎる。
「手伝います…」
「よろしい」
そんな、浦原の姿を哀れに思うマユリ。
「フンッ。現世の祭りごときで、浮かれて…バカ丸出しだネ」
部屋に戻うとするが、白衣を誰かに掴まれた。ふと、振り返るとそこには、可愛らしい魅甘が見つめていた。
「マユリさんも一緒に遊ぼう!」
「フンッ…そこまで言うなら付き合ってやるヨ」
ホントにこの人は、魅甘に甘い。ふふ。と、笑うつられに、マユリの視線が痛い。
「なにがそんなに、面白いのカネ」
「いやぁ、マユリの仮装姿を想像したら面白くて」
「ほほう、なんの仮装なんだい?」
「白玉団子」
つられのこの一言にマユリの中のなにが壊れる。周りは、浦原と魅甘は、ハラハラだ。
「この雌豚が、不愉快極まりないヨ」
「あら、偶然。私も、気分悪いの通り過ぎて殺したくなるわ」
ピキッと、オデコに血管が浮かび上がるほどの苛立ちに、2人共我慢の限界だ。刀に、手をかけるつられ。しかし、そこに浦原の命懸けの仲裁で、その場は収まった。