• テキストサイズ

バラの花を数えましょう

第4章 そして、家族になって。



〜1時間後〜

浦原は、ヤケ酒気味で橘 つぼみにつがれた酒を呑んでいた。そんなバカな男を見ながら、呆れている平子が口を開く。

「喜助のヤツ荒れとるなぁ」

頬杖をつきながら、同意を求めるようにつられの方を見る。彼女も、彼女で呑んでいた。

「コッチもコッチで荒れとるなぁ…」

対してお酒が強いわけでもないのに、酎ハイを五杯飲み干すつられ。六杯目を頼もうとしたが、流石に平子が止める。

「なんれすか?」

「そろそろ止めないと明日辛いことになんで」

注文をしようと上げていた手を平子に下ろされた。

「なんや?喜助とケンカでもしたんか?」

平子の言葉が、届いていない為つられは、もう一度注文しようと手を上げるが、再び下げられた。

「いい加減にしろや」

つられは、平子の手を自分の頬に当ててスリスリとした。

「ったく、あんまりかわええことするとキス…ッン」

平子が、全部言い終わる前につられは、唇で塞ぐ。豪快なキスに周りの声が飛び交う。その声の方に浦原も、視線を向けた。

「え…。」

平子とつられのキスは、段々と深いものに変わっていく。それを見た浦原の中のなにか大切なモノが音を立てて壊れていった。

「うわ!隊長…やるぅ。あれ?浦原隊長?」

浦原の隣に座っているつぼみも、思わず口を開いてしまう。

彼は、スッ…。と立ち上がり平子とつられのところまで歩いていく。周りも驚くような冷えきった霊圧で。平子の肩を掴みあげる。

「なんやねん…ええところなのにッ!」

ーガンッ

鈍い音と共に、平子が吹っ飛んだ。

「いった……何すんねん!喜助」

そう、浦原が平子の頬を殴りつけたのだ。これには、周りの死神達は、勿論一番驚いたのはつられだ。思わず、酔いも覚めた


「喜助ッ!?何してるのよ!平子隊長?大丈夫ですか?」

平子の方に、駆け寄るつられ。しかし、浦原に腕を掴まれてしまう。

「ちょっ!喜助!バカ痛い」

「つられ…帰りますよ」

「はぁ?!アンタとなんかと、誰が帰るもんですか!離して!バカ!エロ男」

手を振り払うが、彼の力はもっと強くなる。
/ 56ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp