第4章 そして、家族になって。
時刻は、夕方6時。
〜居酒屋・風華〜
ココは、隊士たちがよく飲みに来る人気な居酒屋。奥には、個室もあって隊長格の人達も良く使っている。
浦原は、少し遅れて店に入った。出入口の前には、大きなテーブルが、置かれていて何人も座っては、雑談を始めていた。浦原は、自然とつられの姿を探した。
「つられ…」
思わず、名前を口に出してしまう。
いた!
愛しの彼女は、出入口の近くのテーブルの奥に腰を下ろしていた。浦原は、まるで、宝物を見つけたような心境だった。
「つられ!」
思わず、名前を呼んだ。聞こえている筈なのに、けしてコチラを見なかった。
もう一度呼ぼうと、声を出そうとした瞬間。
「つられ」
背後から、聞き覚えのある声。彼女は、その声には反応した。浦原の時には、けして見せなかった笑顔。
「平子隊長!」
えへへ。と、微笑むつられを見て浦原は、胸が引き裂かれそうな思いだった。平子は、落ち込んでいる浦原を横目で見つめたあと、勝ち誇った表情で堂々と、つられの隣に座った。
浦原の霊圧が、高まった瞬間だった。
しかし、楽しい酒の席で自分だけ怒っているのもおかしい。出入口の近くの席につく。
コチラをチラリとも見ないつられに、胸が押し潰されそうな思いだった。ただただ、平子と嬉しそうに話している。会話が、コチラまで聞こえてきた。
「真子さんが、来てくれるとは考えてませんでしたよ。女の人に困ってないんじゃないですか?」
「確かにな」
「じゃあ、なぜ?」
「それはな…」
首を傾げるつられの耳元で、何やらブツブツ呟く平子。話しを聞いた彼女は、くすくす微笑んでいた。
そんな中睦まじい2人を見ては、持ってた割り箸をバキッと折ってしまう浦原。
「あのぉ…浦原隊長?」
「なんスか」
自分でも、大人気なく睨みつけてしまった。隣の席の五番隊の女は、少し驚いていた。
「あ、ごめんなさい。機嫌悪かったですか?」
「え!あ、スミマセン!全然気にしないでください」
注文されていた日本酒を一気飲みした。
「わ、私!五番隊の橘 つぼみて、言います!」
お酒、どーぞ!と、可愛らしく酌をしてくれた。
「あ、ありがとうございます」
彼は、つがれたお酒を一気飲みした。