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バラの花を数えましょう

第4章 そして、家族になって。



書類を出し終わり、つられは少女と二人で隊舎に戻った。すると、隊舎の前でこれまた見覚えのある黙っていればイケメンに含まれる男。

「あ、喜助」

そんなところで、どうしたの?と、首を傾げた。浦原は、眉間にシワを寄せたままつられを見つめる。

「な、なに?」

「ボクは、反対ッス!」

「いきなりなに」

「夜一サンに聞きました!つられ、この子引き取るって!」

「うん、そうだけど?」

だから、なに?と、思わず声のトーンを下げた。

「反対ッス!」

「なんで?」

「アナタのことだから、きっと昔の自分と重なってるんでしょうが!それは、ただの同情にすぎっ」

ーッパン!!!

言い終わる前に浦原の頬に、鈍い痛みが走った。

「つられ?」

下を向いたまま、動かないつられに叩かれた痛みなど忘れて彼女の顔を覗き込む浦原。彼は、目を見開く。何故なら、あんなに強がりのつられが、涙を流していた。少女も、驚いていた。

「つられ…ぼ、ボク」

「喜助なんかキライ」

「え…。。。」

つられ…。と、名前を呼ぼうと彼女の頬に手を添えようとした時。再び、手を払われる。

「触らないで、アナタには2度と触れられたくない」

「つられ…ボクは、そんなつもりで言ったわけじゃ…」

「じゃあ、なに?」

それは…。と、言葉を失った浦原。

「もう…いいょ」

涙を、拭いて少女を連れて隊舎に入っていくつられ。

初めてだった…彼女が、あんなに感情的になったのは。1人、残った浦原は、大切な彼女を傷付けた言葉と自分を呪った。
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