第4章 そして、家族になって。
精霊邸に戻ってきた十二番隊。
つられは、負ってしまった怪我を治しに四番隊に寄ってから、浦原が、急いで書いた報告書を一番隊に提出しにやってきた。
隊長室の前に見覚えのあるくせっ毛のナイスバディー。。。
夜一だ。
夜一は、つられに気が付きニカッと微笑む。しかし、彼女は、つられが負ってしまった怪我の包帯を見て、顔色が曇る。
「あ、師匠」
「つられ!どうしたんじゃ!?その怪我は…」
「ん?ああ、ちょっとしくじっただけです。大事は、無いみたいなのでご心配なく」
つられの言葉にホッと、胸をなで下ろす夜一。彼女の視線は、自然と下に行く。
そこには、少女の姿が。
少女は、小さな体をつられに隠してビクビクと怯えながら、夜一を覗いていた。
夜一は、夜一で昔のつられと影が重なった。あの頃は、小さなつられが、浦原の後ろに隠れて、今では予想もつかないが、とても泣き虫だったのだ。その頃を、ふと思い出し笑みが零れた。
「この子供は?」
「ああ、虚に襲われかけてた子供です。助けたら、私から離れなくて思わず、連れてきちゃいました」
アハハ。と、苦笑するつられに夜一の呆れのため息が零れた。
「おぬしは、本当に馬鹿弟子じゃ。これから、どうするつもりじゃ!」
「弟子にしますよ」
「なっ?!おぬし!今なんと言った?!」
「弟子にする。そう言いました…師匠、アナタが私にしてくれたように」
優しい微笑みを浮かばせながら、少女の髪を優しく撫でるつられ。少女は、嬉しそうに彼女から離れない。
まるで、昔の浦原とつられを見ているようだ。
「全く…おぬしらは…」
一瞬、言葉を失ったが口を開く夜一。
「よし!この子供の修行には、儂も手伝ってやる」
「ホント?!」
「ああ、未だに儂から1本も取れない馬鹿な弟子じゃ頼りないからな」
夜一の言葉に、酷い!と、頬を膨らませるつられ。ふと、夜一を怖がっているのかつられの後ろに隠れては、夜一を見つめていた。
そんな、彼女を見てニカッと笑い少女の頭をガシガシ撫でた。