第7章 変わりゆく自分
「俺も!カズでいいよ!翔...」
「カズくん...」
「俺のことも、智って呼んで!」
「智...くん...」
...そんなこと急に言われたってさ...
「もう、翔が困ってるだろ~///さあ、
カラオケ続きやろうよ~」
楽しい時間がゆっくりと流れた...
......もう何ヶ月も会ってなかったのに、
なんだか不思議な感じだけど、
昨日も一緒に居たような気がした...
潤も、カズも、智も...雅紀も、
俺のこと、何にも気にしないで、聞きもしないで、
当たり前のように受け入れてくれた。
...ホントはね、涙が出るくらい嬉しかった。
俺のこと、特別な目で見ることもなく、
『会いたかった』と、口々に掛けてくれる言葉が、
心の奥に染みていくようで...
温っかかった。
トイレから戻ろうとすると、
ドアの前の壁に、潤が寄りかかっていた。
「あっ、トイレ?どうぞ...」
「翔///」
不意に、潤に腕を引き寄せられて、
俺は潤の腕の中に倒れ込んだ。
「翔!...ずっと、心配してたんだ...
会いに行きたかった...話をしたかった...」
「......」
「...勇気がなくてごめんね...」
「......潤...俺...」
「何してるの?」
その声に驚き、俺たちは慌てて身体を離した。
声の主は、智だった。
「潤くん...待ち伏せして、抜け駆けなんて、
そんなのズルいよね?」
「...俺別に、フェアで行こうなんて、
約束してねぇ~し///」
開き直る潤に、俺は何も言えなくて...