第7章 変わりゆく自分
黙っている俺に、雅紀は駆け寄ってきて、
「一瞬分かんなかったよ~!翔...
凄くカッコよくなっちゃってさぁ(^^♪」
「......」
...カッコよく?そんなこと思ってもないくせに...
「今から、智たちと会うんだよ~!
いつものやつ♪...翔は、これから、どこ行くの?」
「...俺は..ダチのとこ...」
「約束してんのぉ~?」
「いや...そう言うわけじゃ...」
明るく、ぐいぐい来る雅紀に、俺は圧倒されていて、答えるのがやっとな訳で...
「じゃあ、こっちにおいでよ!!みんな喜ぶよ~♪翔に会いたいって、いつも言ってたんだから。」
雅紀は、俺の腕を掴んで歩いて行こうとする。
「ちょっ...ちょっと、雅紀...
俺行くなんて、言ってない..」
「だって!約束してないんなら、いいでしょ??
もう、ここで見つかったのが、運命なの!!
...さあ、行こうよ!今日はカラオケなんだ!」
すっかり雅紀のペースで、俺はどんどん引きずられるように付いていくしかなかった。
「雅紀...ねえ...雅紀..あの..」
いつの間にか。
すっかり手を繋いだ俺たちは、町の中を、
早足で歩いていて...
すれ違う人たちが、金髪少年と真面目そうな高校生の手繋ぎツーショットを遠巻きに見ていた。
何か言っても、雅紀は全然聞いてくれなくて、
俺は彼に、高校生で賑わうカラオケボックスに連れていかれてしまった。
待っている人が、俺のことをちらっと見たけど、目が合う前に、慌てて目を反らせた。
俺はすっかり、
『関わらない方がいい存在』になっていた。