第7章 変わりゆく自分
その日も、
いつものように仲間が屯していた。
酒を飲んだり、タバコを吸っているのもいて、所謂、不良の溜まり場、って感じで。
それが当たり前になっていた。
そんな中。俺にとって、
衝撃の光景を目の当たりにする。
松岡くんが、長野くんと付き合ってる、
っていうのは知ってたし、
それを聞いても、なんとも思わなかったけど、今日はちょっと違ってた。
仲良く酒を飲んで、キスとかしてたふたり。
俺は、見ない方がいいんだろう、と思い、他のやつと話していた。
気が付いたら、ふたりは居なくなってた。
トイレに立ったとき、ふと見ると、
寝室のドアが薄く開いていて、
中から艶かしい喘ぎ声が漏れてきた...
....これって...
俺は、見ちゃいけないって、
そんなの悪趣味だって、
そう分かっていながら、突き上がってくる衝動を押さえることができなかった。
そっと、そのドアに近づき、
細い隙間をもう少しだけ開けて、
中を覗いた。
俺の目に飛び込んできたのは、
ベッドヘッドに寄りかかる長野くんと、
その上に跨がって腰を振る松岡くん...
裸のふたりの縺れる姿が、
俺の目に一瞬にして焼き付いた。
雄の顔した長野くんと、
動きに合わせて甘い声で啼く松岡くん...
俺は慌てて戸を閉めてリビングに戻った。
...心臓が、早鐘のように鳴り、
呼吸も苦しくなる....
身体中から、汗が噴き出してきた。
俺の異変に気づいた長瀬くんが、
「櫻井、どうした~?」
と顔を覗き込んできた。
「....いや..何でも..」
「.....ははぁ~ん♪さては..
あいつ等の現場、見ちゃった♪...とか?」
「えっ?」
「ビンゴ~?」
何も言えない俺のこと、長瀬くんは
笑っていた。