第7章 変わりゆく自分
松岡くんたちは、授業が終わると、
教室まで俺のことを迎えに来る。
ほら、今日も...
「櫻井~♪帰ろうぜぇ~い///」
「おう...」
俺の回りにいたクラスの奴等が、
一斉に距離をとる。
皆、かかわり合いになりたくない、
でも、気になる、というところだろう。
「おら!!見てんじゃねーぞ!」
迎えに来てくれた長瀬くんが凄むと、
みんなは慌てて顔を伏せた。
「ハハハッ..よせや~..怖いってば...」
松岡くんが楽しそうに言った。
そして俺は、高等部へと進学した。
クラス編成のテストは済んでいたので、
俺は、特Aクラスに在籍した。
このクラスは、ほぼ100%が
国内トップの国立大学に進学する。
そんな中に居て、俺は異質の存在だった。
高等部に進んでも、松岡くんたちグループとは、密接に繋がっていた。
仲間の中に、マンションを宛がわれているお坊っちゃまも居て、そこに入り浸ったりするようにもなった。
そんな毎日を、過ごしているうちに、
それが当たり前になり、
見た目は始め驚くけど、付き合ってみると、
何気に正義感が強かったり、
...まあ、やり過ぎな面も往々にしてあるが、彼等に囲まれているうちに、俺も次第に、染まっていった。見た目も....中身も....
髪にはパーマを掛けて、耳はもちろん、
へそにもピアスを着けた。
学校にも行ったり、
行かなかったり...
朝、家は出るけど、そのマンションに直行することも増え、行けば誰かしらいて...
なんとなく、
そこが...俺の居場所のような気がしていた。