第6章 神様なんか、いない
「公園の様子、見てたんだ...」
「...あ..そうですか...」
俺は目を反らせて俯いた。
先輩も、俺の身に起こったこと、知ってるんだろう...
俺が黙っていると、松岡先輩は、
「櫻井、俺たちの仲間になれ!俺が守ってやるから!!」
「えっ?先輩..たち?」
「...いつまでも隠れてるなんてできないだろう...俺、今、こんなだし...でも、仲間は見た目はこんなでも、いい奴ばっかりだから!絶対お前に辛い思いはさせない...」
「...先輩..俺...でも..」
「さっきみたいに、逃げてるわけにいかないだろう...?
噂なんて、そのうち消える...相手にしなきゃ、みんな、つまんないから興味なくすんだ...
それまで、俺たちが、お前のこと守ってやるから///」
「......」
黙って考えてる俺に、松岡先輩は、
「もし、その気になったら、連絡して来い。
迎えに行ってやるから...学校行けよ...」
「...うん...」
「じゃあ、連絡待ってるから!」
先輩は、持ってたプリントの端を破いて何か書き、俺の手に握らせた。
「櫻井、強くなれ!お前なら出来るよ...」
そう言って、松岡先輩は、公園の方に戻っていった。
「にいたん...さっきの人、おともらち~?」
「......修..帰ろう...」
俺は、修の手を引いて、家に帰った。
修は、それ以上俺に何も聞いてこなかった。
頭の中で、松岡先輩の言った言葉が、
何度も浮かんできた。
『いつまでも隠れてるなんてできない』
...それは、俺だって分かってる...
このままじゃ、ダメなことくらい...
言われなくたって、分かってるんだ...