第1章 きらきらひかる
それから、なかなか、
翔くんの家に行く日は来なくて。
僕から行きたいって言い出せなくって、
まあ、仕方ないかな...
って、諦めていた、ある日。
僕はお母さんと弟の3人で、
街に買い物に来ていた。
小学校へ入る僕に、
ランドセルを買ってくれるって...
早く買った方が、
たくさんの中から選べるんだって。
お母さんが言ったように、デパートには、
た~くさんのランドセルが並んでいて、
僕は迷ってしまった。
「どれにしようかな~...」
弟「僕これがいい!この青いヤツ!」
「祐介はいいの!まだ、小さいんだから~」
弟「なんでぇ~///僕も欲しい!!」
「うるさい!ちび!!」
弟「わあ~ん///お母た~ん、
雅紀が意地悪する~(TT)」
「雅紀っていうな!」
売り場で喧嘩になった俺たちに、
後ろで笑ってる声が聞こえてきた...
この声は...
振り返ると、翔くんだった。
翔「ま~くん、喧嘩はダメでしょ?」
「だっ、だって、祐介が...」
翔くんはママと一緒だった。
僕のお母さんと翔くんのママが挨拶をして、
話し始めた。
なんか、いつもと違うとこで会って、
嬉しいのとびっくりしたのとで、
僕は何を言っていいのか、
分かんなくちゃって...
そしたら、翔くんの方から、
翔「ランドセル買うの~?僕もだよ...」
「えっ?ほんとに?翔くんどれにするの?」
翔「う~ん...どうしようかな~...
ま~くんは?もう決めたの?」
「まだだけど...」
翔「じゃあ、おんなじのにする?」
そう言って翔くんはにっこり笑った。
「えっ?お揃い?」
翔「そう...ダメなら、いいけど...」
そう首を傾げる翔くんに、
僕は慌てて言った。