第6章 神様なんか、いない
唯一、
無邪気な修だけが、俺の救いだった。
修は、俺が毎日家にいるので、嬉しいみたいで、何かと俺にまとわり着いていたが、
修といるときだけは、
事件のことを、思い出さずにいられた。
「しょおたん、こおえん、いきます!」
「修...ごめんな~..公園はママと行っておいで...」
「...しょおたんと滑り台したいよぉ...」
「...兄ちゃん、公園には..行けないんだ..」
「どぉちて?...じゃ、お砂場なら、いい~?」
「...修....」
俺の膝の上で、寂しそうな顔をする修に、何だか可哀想になった俺は、
.....あの公園じゃなきゃ、いいか...
そう思って、渋々、修を連れて、
久し振りに外に出た。
嬉しそうにはしゃぐ修の手を引いて、
家から、近くの児童公園まで歩く。
すれ違う人が、みんな俺のことを、知っていて、みんなが俺のことを汚いものをみるような目で見ている....そんな気がして、怖かった....
実際はそうじゃないのに...
......胸がドキドキした。
...俺は、人目を避けるように、
俯いて歩いた。
それは、俺の単なる思い過ごしで、
誰も、俺と修のことなんか、
気にしちゃいなかった...
公園に着くと、
修は大喜びで遊び始めた。
砂場でトンネルを作ったり、
ブランコに一緒に乗った。
「修、滑り台、やる?」
「にいたん、滑り台、いやだから..」
「そんなことないよ!大好きだよ!
一緒に滑るか?」
「はい!すべります!」
修なりに、俺のこと、気遣ってくれてたんだって、何だか申し訳なかった。
...こんな、小さいのに...