第6章 神様なんか、いない
......ひとりに...なりたかった..
母さん...当たって、ごめんなさい...
でも...一緒にいるのが辛くて...
母さんの悲しそうな顔を見るのが、
堪らなかったんだ。
俺は、布団を被ったまま、
声を上げて泣いた。
....どうしてあの時、
真っ直ぐに帰らなかったんだ...
...アイツ等の挑発に乗らなきゃ良かった...
...深追いした俺が、バカだった...
.......どうして?
男の俺に...あんなこと///
俺は...男にヤラレたんだ///
後ろに今も感じるズキンズキンとした痛みが何よりの証拠....
俺は、女の代わりにされた?
なんでだよ...
どうして、俺なんだ....
「..ううぅ..ぅうう...」
声を殺して泣いた...
涙が...
後から後から溢れてきて、
枕に染みを作った。
「翔...」
いつの間に来たのか、
父さんが、ベッドの脇に立っていて、
静かに俺に話しかけた。
「....うん..」
「そのままでいいから、父さんの話を聞いて欲しい...」
「....」
「今から、警察に連絡する...
事件として、捜査してもらう」
「.....」
「そうなれば、その時のこと、警察に詳しく話さなければならなくなる...どいつに...どんなことをされたのか、明らかに..」
「やだ!!誰かに話すなんて、無理だよ!」
「翔..聞いてくれ、こういう事件は..」
「やだやだやだやだっ//////」
俺は、布団の中で耳を塞いだ。
「翔...」
布団の上から、父さんの手が、
俺の上に乗せられた....
「父さんの話を、聞いてくれ...」
父さんは、静かに話し始めた。