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Green~君といた季節~【気象系BL】

第6章 神様なんか、いない



それから、診察室のベッドに寝かされたのまでは覚えているけど、その後のことは...分からない。



気が付いたら、病室のベッドにいて、
身体も顔もきれいになり、
きちんと病衣を着ていた。


目を開けて天井を見つめると、

「翔...目が覚めたの?
どこか...辛いところ、ない?」

側について居てくれた母さんが、
俺の手を握ったまま、そう聞いた。


「.....ない....」

ポツリと答える俺に、

「...そう...何か欲しいものあったら、
言ってね...」

「.....うん...」


我慢できない程の痛みは...ない...

でも、身体のあちこちで、
鈍い痛みが疼いていて、
悪夢としか言えないようなあの出来事が、現実に起きた事なんだって....

夢なんかじゃないんだって...

そう、俺に教えていた...


項垂れて、それ以上掛ける言葉が見つからない母親に、ふと気がついて、

「...母さん...修は...?」
と聞いた。

「お母様が見ててくれるから...」

修は、おばあ様に預けてきたと言った。

「..きっと..泣いてるよ...
俺はもういいから..帰ってやれば..?」

「...そんな...修のことは、
大丈夫だから...それより、翔が...」



「........帰って..いいから..」

「..でも..翔..」


「いいから、帰れよ/////」

俺が大きな声を出したから、
母親はビクッと身体を硬くしたけど、

反対側を向いて布団を頭から被ってしまった俺に、母さんは申し訳なさそうに、

「..じゃあ..帰るね...後は、お父様にお願いしておくね..また..明日来るから...」

「...........」


母さんは、そのまま、帰っていった。






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