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Green~君といた季節~【気象系BL】

第6章 神様なんか、いない



のろのろと、服をかき集め、
何とかシャツを羽織った俺は、やっとの思いで立ち上がった。

すると、遠くで俺を呼ぶ声が聞こえた。

(母さんだ!!)

きっと、帰りが遅い俺のことを心配して、
探しに来たんだ。

どうしよう!!!
こんなところを見られたら///


焦るけど身体が思うように動かない俺は、
下着が上手く履けなくて..

「翔?...翔なの?...何してるの?
何度電話しても、ちっとも出ないし...

.....翔.... ?...」

話ながら近付けてきた母さんは、
明らかに普通じゃない俺の様子に、
走りながら側まで来た。

「...しょ...」

腫れ上がった俺の顔と、
乱れた髪....

まだ剥き出しの下半身の、脚の間から、アイツ等が残していった欲望の証が、鮮血と共に伝わり、流れ落ちた。


「翔//////しょう────////」

母さんは、自分の着ていたコートを俺に着せて、その上から強く強く抱き締めて泣いた。

背中に回された両腕は、悲しい程に震えていて、可哀想なくらいだった。


............


.....母さん...

........ごめんね...


こんな俺に...なっちゃって.....





乗ってきた車の後部座席に俺を乗せ、
母さんは父さんに電話した。

父さんと何か話していたらしいけど、
もう、心も身体もぼろぼろで、
くたくたで...

何を話しているのか、
全く耳に入ってこなかった。



そのまま、車は夜の町を、闇に紛れるように走り、暫くしてゆっくりと停まった。


外からドアが開けられ、
父さんが屈んで車内に身体を半分入れ、

「翔...降りられるか?」
と聞いた。

それで初めて、車が家ではなく、
家の病院の裏口に着いたことを知った。



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