第5章 大人になるということ
「最近、どう?」
コーラを飲みながら、
カズくんが上目遣いに聞いてきた。
「うん...なんか、いろんなことがあるよ...
そう言えばさ、俺、弟が生まれて...」
「ホント?やったじゃん!よかったねぇ」
カズくんが、自分のことみたいに、
嬉しそうにそう言ってくれて、
俺も嬉しくなった。
「毎日、ちょっとずつ大きくなってくみたいで、面白いよ...昨日出来なかったことが、今日は、出来る..ってかんじだし...」
思わず修のこと、話しちゃった俺のこと、カズくんはニコニコしながら、見ていた。
「翔くんに、似てるの?」
「うん..似てるって、言われるかな~」
「へぇ~..じゃあ、可愛いんだろうね♪
今度、会わせてよ..」
カズくんが、ずっと俺から目を反らさず、可愛い目で見てるから、何だか顔が熱くなる...
たまらず目を反らした俺に、
「翔くん、相変わらず、可愛いね♪」
って...
悪戯っ子みたいなキラキラした目で言った。
その目に、何だかドキドキしちゃって、
そんな気持ちを見透かされそうで、
「俺のこと、揶揄ってんだろー///」
わざとふざけて言うと、
「そんなことないよ...ホントに..
翔くんは可愛いよ♪小さい頃から、ちっとも変わんないよね(^^)」
「...可愛いとか、言われても..」
「そんな翔くんのこと...大好きだったんだ、俺...」
「......」
カズくんの顔を見たまま、何も言い返せない俺に、
「...今日会って思い出しちゃった...
翔くんを好きだったこと...
翔くん♪」
...ヤバい、静まれ、心臓!!
「...何だよ...」
「...今も、大好き...」