第27章 君が描いた未来
【 翔side 】
朝の眩しい陽の光の中で、
俺はまだ目を開けない....
...起きてはいる。
だけど、もうちょっとだけ。
....あと少しだけ、この現実と夢想との狭間を、漂っていたいんだ。
昨日は、最後のオペが予定よりも長引いたせいで、終わって家族に話をしたのは、10時半を過ぎていた。
朝から4件のオペを行い、ほぼ立ちっぱなしだったからさ~、
流石に脚に来てる訳で...
俺は、ほぼ休みなしで、毎日病院に行っている。
周りは少しは休めと心配するけど、
こう見えて、俺、体力には自信があるんだ。
でも今日は久々の休みだし....
スヌーズはとっくに止めたけど。
瞼が、重くて....
持ちあがらないんだ...
もう年かな~?
気持ちは、若い頃と変わってないつもりだけど...
疲れが...取れてない...かも..
あ~、分かった...
開けられたカーテンから差し込む光のせいだ...
その光がさ、
あんまり温っかくて、優しいから...
俺はいつまでも布団から出られないんだ...
こんないい天気じゃ~なけりゃさ、
俺だって..
「.....翔...
翔...起きて...」
「......う~ん...もう少しだけ~..」
「...さっきから、目覚まし、何度止めてんの~?」
「だって~...眠いんだもん...」
俺は、しぶとく布団から出ない。
「ほらぁ~、朝ご飯出来てるよ!...起きて!」
布団を剥がされ、俺は丸まった。
「今日は、何の日か、忘れたの~?」
今日は...久々の休みで...
....あっ!!...そうだった!!
今日は安曇野に行くんだ!!
慌ててベッドの上で飛び起きた。
「ふふふっ、凄い寝癖~...」
潤が笑って俺を見ていた。