第27章 君が描いた未来
雅紀の頭の下に腕を伸ばし、腕枕してやった。
「翔...痛くなるから...」
「大丈夫だって...それより、星...凄いね」
何も話さず、二人で星空を眺めていた。
密着した身体から伝わる、雅紀の体温。
......ずっとこのまま抱き締めていたい。
時間が止まればいいのに。
「雅紀...お誕生日おめでとう...」
「...あ、そうだったね...今日は12月24日か...忘れてたよ」
「プレゼントもないけど、ごめんね...用意できなかったんだ」
すると雅紀は、俺の胸に頬を寄せて、
「じゃあさ.....やっぱ、いいや~...」
俺は雅紀の顎に指を掛け、俺の方に引き上げた。
見つめただけで...
言葉なんかいらない。
雅紀の目が、俺に『ごめん』を繰り返す。
俺はそんなのを見ていたくなくて、そっと唇を重ねた。
軽く啄むだけで離れようとすると、雅紀はぶつける様にもう一度唇を重ねて来た。
さっきとは違って、首の後ろに手を回わし、強引に舌先を差し込んできた。
雅紀///
絡め合った舌先が熱い...
何度も繰り返してきたその行為に、心が震える...
俺は、雅紀の細い身体を抱き締めて言った。
「星を見に行こうよ...」
「...星を?」
そうだよ...
大学の時にふたりで合宿を抜け出して観に行ったあの空を...息をするのも忘れるくらいの、あの星...
「行きたいな...」
「絶対行こう...」
雅紀を抱き締めたまま、部屋の窓から星空を眺めた。
こんなにしっかりと抱き締めているのに、
不安で...
切なくて...
俺は、寝息を立て始めた雅紀を抱き締めたまま、
いつまでも星空を眺めていた。
叶うことならば、どうか...
どうか、雅紀を助けてください!
俺の持っているものは何もいらないから...
雅紀を...
雅紀を連れていかないで...