第27章 君が描いた未来
【 翔side 】
雅紀の病室での初めての夜。
シャワーを済ませてきた雅紀の髪を乾かしてやる。
「ありがとね、翔...」
「いいって♪一緒に暮らし始めた頃は、よくこんなことしてたよね~」
「うん...あの時は、何だか嬉しいのと恥ずかしいのと、ごちゃまぜな気持ちだった...」
「だってさぁ~...雅紀、ちょっと俺が身体くっ付けたりしてると、直ぐに元気になっちゃうし~♪」
雅紀は俺の言葉にパッと振り返って、
「もしかして、あれ、わざとやってたの!?」
「...そうだとしたら~?」
焦る雅紀が可愛くて、くすくす笑った。
「もう~///俺必死に我慢してたんだよ~!そんなことばっか考えてるって、そう思われるとヤだったし~」
「実際そうなんじゃないの~?」
「......翔は、違ったのかよ...」
拗ねた雅紀を背中から抱き締めた。
「俺だって、いつだって雅紀が欲しかったし、いつだって抱いて欲しいって思ってたよ...」
「......俺達、もっとたくさん、話して来ればよかったね...」
......雅紀...
「話なんか、いつでもできるって思ってたし、いつだって、そういうことも出来るって思ってたから...」
「今から...出来るよ...」
「そうだね...そうだよね」
雅紀の笑顔が胸に刺さった...
俺達に残された時間は、後どの位なんだろう?
夜...
ベッドに雅紀を寝かせて、俺は簡易ベッドに横になった。寝心地はよくないけど、仕方ない。
横を向くと、窓の横の大きな開口部から、星空が見えた。
冬の星は、キラキラ揺れているようで、息を飲むほどに美しい。
しばらく眺めていたけど、なかなか寝付けなくて...
雅紀も寝ていないのが息遣いで分かる。
「雅紀...そっちに行ってもいい?」
「......うん..」
俺は雅紀のベッドに一緒に横になった。