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Green~君といた季節~【気象系BL】

第26章 未来への地図



雅紀は、自室に俺を連れていってくれた。

もちろん個室で、病院というよりは、こざっぱりとしたワンルームのマンションの様だった。

....備え付けの物以外は何もない部屋...雅紀はここで、会いに来るものもいない毎日を、過ごすつもりでいたのか...

「ここに泊まれるの?」
「あ~、泊まってる人もいるみたいだけど。」
「じゃ、俺、ここに泊まるよ♪
簡易ベッドかぁ~、まあ、無いよりはましか!」

「翔が気に入るようなベッドは、ここにはありせん!それに、泊まるなら、申請しないとダメだからね!」

そんな雅紀が可愛くて、ちょっと意地悪したくなる。

「俺、ここに泊まっても、いいんだ?」

すると、雅紀はパッと赤くなって、
「べ、別にさ、他に当てがあるなら、全然そっち行っても構わないけど~」

俺は笑いながら雅紀とおでこをちょこんとぶつけて、
「意地張るなよ♪嬉しいくせに❤」
と言った。

スッと視線を外して、
「...早く申請してくれば?」
って...

その目が少し笑ってることに満足した俺は、手続きするために受付に向かった。


「さっきは、ありがとう。
それで...付き添いで泊まるための申請って...?」

俺を見て、花の様な笑顔になった久我さんは、
「良かったです。会えたんですね。」
と言った。

「あなたのお陰です。」

申請用紙に記入している俺に、彼女は、

「私は何も....ただ、この病院で誰も面会に来ないんじゃ、淋しいですものね...
親い方が来てくださって、安心しました。」

と言った。

「暫く居ますから♪」
そう言う俺に、
「どうぞ、ごゆっくり...」

久我さんは、自分の事のように嬉しそうに申請用紙を受け取った。

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