第26章 未来への地図
余命三カ月。
俺達の残された時間は僅かだ。
こうしてはいられない///
ひとりになると言っても、何かあったら周囲の人の迷惑がかかるし、意識が無くなってしまえば自宅に戻される。
それを避けたいなら、それなりの場所にいるだろう...
それなりの場所...
.....俺なら...俺が雅紀なら...
俺は手当たり次第に、ポスピスに検索を掛けた。
漠然と探すなんて無理だ。
そんな雲をつかむような話...
どうしたらいい??
どうやったら、雅紀を探し出せる?
方法なんか分からない。
当てがある訳じゃない。
でも、分からないと言って、ただこうしている訳にはいかない。時間の許す限り...雅紀を探す。
幸いにも、大きな手術は終ったところで、今後のケアは別のドクターでも可能だし。
俺は急いで親父に電話を掛けた。
『翔か...何かあったのか?』
「こんな時間にすみません。実はお願いがあって...明日から一週間、休みを取りたいんです。我儘を承知で、どうかお願いします」
「...そうか...分かった」
えっ?何も聞かずに、どうして...??
......
....もしかしたら...
「...父さん、雅紀の事、何か知ってるんですか??」
『...翔...』
「教えてください!!雅紀は?雅紀はどこに行ったんですか??」
『それは知らない..ただ..』
雅紀は、親父に自分の病状を打ち明け、退職願を出したそうだ。親父はやむなくそれを受け取ったと...
『翔、雅紀は絶対に翔が自分のことを探さないようにと、何度も言っていたよ...』
「...雅紀..」
『でも、翔は雅紀を探したいと、そう言うだろうと思っていた...』
「父さん!雅紀の居場所を聞いてるんですか??」
そうだ...
責任感の強いあいつのことだ。
仕事を放り出していくなんてあり得ない...
親父は少しの沈黙の後、静かに言った。