第26章 未来への地図
忽然と消えてしまった雅紀を、俺はどうすることも出来ず、ただただ、共通の友人に電話を掛けまくっていた。
そこにかけても、知っているはずなんかないって...分かってはいるけど。
そうでもしなきゃ、叫び出しそうだったんだ。
.....雅紀
....雅紀
何でだよ?
ずっと一緒にいようって、そう約束してたじゃん!何があっても離れないって!
あ...
風間?
....風間だ!あいつなら...
雅紀が俺以外に頼っていくとしたら、あいつしかいない。
風間の連絡先を、知らない俺は、家の病院に、雅紀たちの同期のナースがいたのを思い出した。
そいつに連絡し、風間の電話番号を教えてもらって直ぐにかけた。
何度も鳴る呼び出し音。
出て!
風間、頼む出てくれ!
♪♪..♪♪♪...♪♪...
ダメか!?
切ろうたしたその時、
「....はい」
「あ、風間?俺!翔!櫻井翔です」
「翔さん?どうしたんですか?」
「雅紀が...雅紀がいなくなったんだ!」
「えっ.....」
黙り込んだ彼に、俺は、
「雅紀の居場所、知ってるんだろ?だったら頼むよ!雅紀はどこに行ったんだ?」
「知らない」
「嘘だ!だって...」
「本当です!」
最後の望みの糸が、切れた....
「あの、翔さん、雅紀の病気のことは...?」
病気?
病気のこと、って....
「風間は...知ってるの?」
「あいつ、やっぱり翔さんに言ってないんだ。あんなに絶対言えって、そう言ったのに...」
「....雅紀の、病気って..?」
「それは...雅紀に...」
「その雅紀がいないから聞いてるんだろ!!」
俺の剣幕に、一瞬息を飲んだ気配がしてから、何も言わない風間。
「ごめん...つい...」
すると、風間はポツリと、
「あいつは...雅紀は....」