第25章 Happy Honeymoon❤
タクシーを翔ばしてホテルに戻った。
『お願いだ!雅紀戻っていて!』
部屋に急いで帰って、呼び鈴を押した。
......
えっ?いないの??
雅紀、まだ帰ってないの?
買い物って...お土産見るって...
こんなに時間かかることがあるかな?
もしかして、変な男につけられて...
車に連れ込まれて誘拐されたんじゃないか?
今頃、どっかの倉庫とかに連れ込まれてるんじゃないか?
もしかして、もう...
.........
俺はもう、居てもたってもいられなくて、
ホテルのドアは空けずに、もと来た廊下を、エレベーターに向かって走り出した。
その時...
「しょお~??」
えっ?雅紀??部屋にいたの?
のんびりした雅紀の声がして、俺は脚を止めて振り返った。
「雅紀!!帰ってたの!?」
「しょお~、早かったんだね~...」
俺が駆け寄ると、雅紀の身体を抱き締めた。
「雅紀!!無事だったんんだ~!!よかったぁ~///」
「なになに~?どうしたの翔?無事って...」
もう最悪の事態まで考えてたからさ...
俺は何だか身体の力が抜けちゃって。
「翔...とにかく入ってよ...今日は遅くなると思ってたから、うっかり寝ちゃってたみたいで...」
部屋に入って、真っ白なバスローブを纏った雅紀を、背中から抱き締めた。
「翔...どうしたの?」
...よかった...
ホントに良かった、雅紀が無事に、ここに居てくれて。
腕の中にある雅紀の体温を、
今日ほどうれしいって思ったことはない。
雅紀がここに居てくれることの幸せ...
そのことが...胸が苦しくなるほど、幸せだった。