第25章 Happy Honeymoon❤
この日、終ったあとにはレセプションパーティーがあり、翔はそっちに出席しなければならなくて。
「雅紀、ごめんね...出来るだけ早く帰るから...」
「いいって、大丈夫だよ!俺もトレーダージョーズとか行って、お土産見たりするよ...」
「うん...俺もそっち行きたいよ~..」
翔がさっきと違って、シュンとして子どもみたいな顔するから...
「だ~め!」
「翔はちゃんとパーティーで顔売ってこなきゃ!」
「顔売るって...」
「そうだよ、櫻井総合病院の次期医院長先生♪」
そう言って肩を叩くと、
翔は少し困ったような顔をして笑った。
......そう。
翔はいずれ、病院を背負って立つ人だ。
翔のお父さんが...ひいては今は亡きおじいさまが、
ここまで大きくした病院...
翔の肩にかかって来るんだもん。
うかうかしてらんないでしょ~?
まあ、そんなの分かり切ってると思うけどね。
「どこに、どんな協力者がいるか、分かんないじゃん」
「...うん...だね~」
「しっかりイケメンの顔売って来てね!!」
「なんだよ、それ...イケメンは関係ないし...それに...」
翔はじっと俺を見つめた。
「何~?」
「雅紀、なんか、ナースって言うより、経営者みたいだね...♪」
「えっ?...いや...そんなこと..」
すると翔は、俺の肩に両手を置いて、
「冗談じゃなくってさ。雅紀には俺の片腕として、勿論、病院の経営の方にも頑張ってもらうからね!」
「経営...か~..」
「やばい!もう行かなきゃ!雅紀、気を付けてね~、買い物...」
「うん...いってらっしゃい❤」
行こうとしてドアに手を掛けた翔が、急いで戻って来て、少し乱暴に俺を引き寄せてキスをくれた。
「いってくる」
締まったドアを見つめて、
俺はドキドキが止まらなかった。