第25章 Happy Honeymoon❤
翌日は、翔の学会での発表があり、俺も出席した。
と言っても、翔は大学の研究チームでの発表だから、5人の仲間とステージに居て、
俺はやっと席を確保してもらった一番後ろの席。
翔からは凄く遠くて...
でも、愛する人の晴れ舞台を、この目で見ることができて幸せだった。
この、世界循環器学会には、世界各国の大学病院から、多くの会員が出席していて、そこでの発表は凄く名誉なことだ...
翔はまた上のステージに行ってしまうんだな~...
そんなこと言うと怒られるから言わないけど。
俺とは住む世界が、やっぱ違うんだよな~...
こんな離れたところから、スポットライトを浴びた翔を見ると、やっぱり俺の気持ちは、少し落ち込む...
夕べは、あんなに側にいて...
側どころか、隙間なくぴったり抱き合っていたのに。
周りは外国人ばかりで、俺は一人、何とも言えない孤独感に苛まれてしまい...
なんだか泣きそうになっていた。
分かり切ったことなのにね。
日本で行われた学会には、何度も出席して、翔の晴れ姿を見て来たのに...
海外は初めてだから。
俺きっと、気後れしてるんだと思う...
翔たちが準備を終え、席に着いたとき、
翔がキョロキョロし始めた。
もしかして...
その目が俺を捉えて、ニッコリ笑った。
それが嬉しくて...
どうしようもなく嬉しくて。
俺は泣きそうになるのをグッと堪えて、
小さく手を挙げて合図した。
翔は小さく頷いた。
...頑張れ、翔。
ここで見てるよ...見守ってるよ...
こんな情けない俺だけど、
翔のこと...いつも...
どんな時だって、応援してるよ...
俺は翔の1番の応援団なんだから...