第4章 もがき苦しむ中で
雅紀「...ホントは、ずっと側にいたいよ」
背中から俺の腹に手を回したまま、
雅紀がボソッと呟いた。
翔「......」
雅紀「いつも翔の側で、翔が大人になっていくの、
見守っていたい...困ったときは、助けたい...」
雅紀の気持ちが、俺の心に染みていく。
親に反発して、
意地になって進学校に入って、
ずっと大切だった友達から離れて...
ほんとは、ずっと寂しかった...
仲間との優しい時間が、恋しかった。
でも、そんな弱音を吐きたくなくて、
一人でちゃんと立っていられるんだって、
強がって見せてた。
雅紀に抱き締められ、始めは飛び出しそうだった心臓も、少し落ち着いてきて...
俺は、雅紀の体温を感じながら、
静かに目を閉じた。
俺はまだ、家族以外の誰かを、
好きって、そう思う気持ちがよく分かんなくて...
でも、雅紀の腕に包まれて、
凄く安心して、温かくて、嬉しいのは...
『好き』ってことなんだろうか...?
雅紀「......急に、ごめん」
俺からゆっくりと離れて、
少し寂しそうに笑った雅紀に、
俺は胸の奥がキュン、と音を立てたような気がした。
...ほんとは、もう少しぎゅうっとしてて欲しかったのに...でも、恥ずかしくて、そんなこと言えない...
雅紀「ごめんね...急に...なんかさ、
どうしても、翔のこと...」
翔「うんん...なんかね...雅紀、温かだったよ..」
俺が、照れてそう笑うと、
雅紀「もお~//////翔!!可愛い!!」
そう言って、また、俺のこと抱き締めた。
今度は、前から...