第4章 もがき苦しむ中で
......俺が、恥ずかしいって、
今更止めて欲しいくらいに思っていた、
12歳年下の兄弟の誕生を、
雅紀は心から喜んでくれている。
雅紀「元気に生まれてくるといいね~
俺的には、翔にそっくりの弟、がいいな~♪」
翔「...なんでだよ(笑)」
その時、下から母親がジュースを取りに来いと、俺を呼んだ。
それから、部屋で学校の話をした。
新しくできた友達や、映画同好会の話もした。
雅紀は、俺の話を、驚いたり、
感心したり、笑ったりしながら聞いてくれた。
翔「ところでさ、雅紀、彼女、出来た?」
雅紀『ブゥーッ///』
不意の質問に驚いた雅紀が、ジュースを吹き出し、
俺に諸にかかった。
翔「何だよ~そんなびっくりしなくても...」
雅紀「そりゃ、びっくりするって...」
翔「あ~あ...汚れちゃったじゃん...」
俺が、雅紀の前でTシャツを脱いで、
身体を拭いた。
雅紀「......」
翔「なんか、ベトベトするし...」
俺が、どこかにあったとウエットティッシュを
探していると、
不意に、後ろから雅紀が、俺のこと、
抱き締めてきた。
......えっ??
雅紀「......翔...」
翔「雅紀...何?...何だよ...」
なんだか、心臓がドキンドキンと大きく鳴った。
雅紀「相変わらずさ...白くて、細っちいな...」
翔「しょうがないだろ!太れないんだから...
そういう雅紀だって、細いじゃん...」
雅紀「...翔....」
翔「....なに?...」
雅紀「好きだよ...」
翔「...雅紀」
俺は、その雅紀の好きの意味が、
分かってしまったから、なんて答えたらいいのか、
分からなくって...
そのまま、雅紀に抱き締められていた。