第4章 もがき苦しむ中で
さっきよりも、ずっと強く抱き締めるから、
背骨が、ぎゅうぎゅう悲鳴を上げてんじゃないかって、
翔「雅紀...痛い...痛いってば///」
雅紀は慌てて俺を離し、
俺の顔を覗き込んでニッコリ笑った。
雅紀「翔がさ、俺の背くらいになったら、
俺のこと、ぎゅうぅって、してもらおう~っと♪」
翔「何でだよ~...大きくなんないとダメなのかよ」
俺もそう言って笑うと、
雅紀「そのくらい言わないと、いつまでも
ちびっこのまんまじゃ、困るでしょ♪」
翔「見てろよ~、あっという間に雅紀の背、
越えてやるからな!!」
ムキなった俺を見て、雅紀はふんわり、
太陽みたいに笑った。
雅紀「俺、それ、すげぇ、楽しみにしてるわ~」
翔「...お..おう...」
雅紀の笑顔が、あんまり綺麗で、
俺は、ドキドキした...なんでか、分かんないけど...
それから、少し話して、遅くなってもいけないので、
雅紀は帰っていった。
久しぶりに、たくさん話して、楽しくて、
そして、雅紀にドキドキして...
何だか、不思議な夜だった。
でも、ひとつだけ...
雅紀の優しさが、改めて心に染みて、
凄く穏やかな気持ちになれた、
そんな時間だった。
俺は、この夜のこと、ずっと覚えていたいって、そう思った。
それと。
早く雅紀よりも、大きくなりたい。
後、雅紀にドキドキした訳は、
高くて可愛かった彼の声が、
ちょっと低く、変わっていたのが、
俺を驚かせて、そのせいできっと、
雅紀じゃないみたいだって、
ドキドキしたんだ...
...だぶん、そうだ...