第25章 Happy Honeymoon❤
【 雅紀side 】
痕を着けないように、白い首筋にキスをすると、翔が突然体勢を入れかえ、俺の後ろに回り込み、耳元で囁いた。
「...雅紀...欲しい...」
ゾクゾクするその低音に、俺は全身総毛立った。
「うん...あ、でも、シャワーさせて?
今日たくさん歩いて汗ばんだし...」
「俺はそんなの全然いいけど…」
「ダ~メ!待ってて。すぐ済ませるから…」
俺は翔の手を振り解いて、バスルームに逃げ込んだ。
今更さ、
どうしてこんなにドキドキしてんの?俺..
何度も身体を重ねてるし、なんなら、抱かれることの方が、断然多いし、ノリで始まるときなんか、ふざけながらそのまま...ってこともあるのに...
どうしたんだよ~?俺...
まるで、初めてのときみたいなドキドキを落ち着かせるようと、熱めのシャワーをして、
気持ちを静めようとしたけど...
結局ダメで。
このドキドキを楽しむのも手かも...
ということで、自分を納得させて風呂を出た。
「翔...お先~...」
部屋の中は妙に静かで。
見ると、翔は学会の資料を片手にソファーで寝ていた。
「...しょう..」
そっと側に立っても全く気付く気配もなく寝ている。
...何て可愛い顔なんだろう...
色白の頬に、赤いぽってとした唇...
長い睫毛が大きな目のラインを縁取っている。
顎にある、ニキビの後をそっと指先でなぞると、
翔は薄く唇を開いた。
誘うようなその紅に、堪らず唇を押し当てると、翔はパチリと目を開いた。
どんぐりみたいな深いこげ茶色の瞳に俺が映っている。
瞬間。
俺は翔の頭を引き寄せ、深く口付けた。
「...んっ」
翔から鼻に抜ける甘い吐息が漏れると、それが合図...
その熱い唇を抉じ開け、舌先を捻じ込むと、翔はそれを受け入れながら、俺の背中に手を回した。
...ヤバい...もう俺、止めらんないけど~?
いいよね...