第25章 Happy Honeymoon❤
その晩は、無駄に広くて、プロレスでもできそうな大きなベッドで、手を繋いで寝た。
くっ付いた翔の体温が気持ちよくて、
俺もあっという間に眠りに落ちた。
「...き...まさき..」
目を開けると、クリクリの大きな目が直ぐ近くで俺を覗き込んでた。
「わあぁ///」
驚いて飛び起きると、翔は笑って、
「なんだよ~、失礼だな(^^;俺のことオバケでも見たみたいに...」
「ごめ...俺、寝坊しちゃった...」
慌ててベッドから降りて着替え始めた。
今日は、翔の希望で、ナチュラルギャラリーに行くことになっていた。
ワシントンで、いや、アメリカ国内でも有数の巨大美術館で、一日ではとても回り切れない広さらしく...
「雅紀、朝食は途中のカフェで済ませよう、いいでしょ?」
勿論俺が異議を唱える訳もなく...
美術館に行くのを、こんなに楽しみにしてる翔が、子どもみたいで微笑ましい。
着替えて準備をしてホテルを出た。
川沿いを少し歩くと、お洒落なカフェがあった。
そこで俺たちは、軽めの朝食をとってから、公園の中の道をのんびりと、手を繋ぎながら歩いた。
「翔...手...」
「いいの!ここワシントンだよ~?このくらいで驚く奴なんかいないよ♪」
「このナチュラルギャラリーは、広くてとても見切れないからさ、ポイントを押さえて見たいものを回るのが効率いいんだ...」
翔は勿論、下調べはバッチリ。
始めに西館を目指して歩き出した。
「ここには、ゴッホを始め、ダ・ヴィンチ、フェルメールとか、有名な画家の作品がひしめき合ってるんだ。
印象派のモネとか、セザンヌもあるんだよ。世界中でも、これだけの絵画が揃ってる美術館は、数えるくらいだよ...
雅紀は、好きな画家とか、いる~?」
好きな、画家~?
俺、そういうのには疎いからな~...
小さい頃から、絵画教室に通っていた翔とは違うんだよ...