第25章 Happy Honeymoon❤
「翔...」
「雅紀...ありがと...」
「何が?」
「一緒に居てくれて...隣を歩いてくれて...」
「そんな...隣なんかじゃ...」
「雅紀...俺は医者で、雅紀はナース...それはね、たまたまそうなっただけで、どっちが上とか、どちらかが偉いなんてことはないんだよ~?
医療現場で、患者と真剣に向き合う仲間として...同じなんだ...だから。
俺に1㎜も遠慮とか、ひけ目とか、そういうのはなしにして欲しいんだ...
ハネムーンだから、この機会に言っておきたい。」
......翔...
翔が、そんな...
「今までは、甘えちゃっててごめん...これからは、俺も家のこと、頑張ってやるから!掃除も、洗濯も、あと、料理も...」
いや...料理は、無理しなくていい...
むしろ、しなくていい...
「しょ...」
気が付いたら、俺...泣いてた。
.....翔は、ちゃんと俺のこと...俺が見せないように、気付かれないようにしてた気持ち...
ちゃんと分かってた...
医者とナースの壁...
それは、俺と翔の壁でもある様な...どっかでそんな気がしてて...
「雅紀、来て...」
翔が両腕を真っ直ぐに俺に向けて伸ばした。
「しょお~///」
俺は涙でぐちゃぐちゃの顔で、翔に抱きついた。
「だから、これからは、家事は分担!いいね?」
「うん...」
「たまには甘えちゃうこともあるかもしれないけど」
「うん...」
「雅紀と、何でも分け合ってくつもりから」
「うん...」
「こっち、向いて...」
翔の肩からおでこを離し、そっと彼の顔を見た。
「翔...」
「ん~?」
「...でも、料理はしなくていいよ..」
「え...もう~!!雅紀///」
怒った顔してる翔に唇を塞がれた。
ポトマック川が運んでくる幸せの匂いは、
ほんの少しだけ、涙の味がした...