第25章 Happy Honeymoon❤
それから、大学病院を辞めるために時間を費やした。
少し前から、俺の後を引き継ぐ後輩に、ずっとついてもらい、患者の状態など、諸々の引継ぎをしてきた。
「翔くんが居なくなると、患者さんたち淋しがるね~」
引き継いでくれるのは、俺の2個下、
俺とは少しタイプは違うけど、人情味あふれる医師『丸山』だ。
見かけによらず優秀で、細かいところにもちゃんと気を配れる、頼れる後輩だ。
「丸なら、大丈夫だよ。もう俺が教えることはないし...」
「そんなこと...仕事は勿論だけど、毎日会えなくなるのが、淋しくて...」
ははは、と笑うと、丸山は、俺との距離をグッと詰めて、
「いや、マジで言ってます!翔くんって、ホントに、ときどきゾクッとするほど色気があるっていうか...
...もう、何ていうか、目が離せないっていうか...」
......(-"-)
こいつのそっち疑惑は本当なのかな~?
聞いてみようかな?
...いや、聞いてどうする...?
『そうです!』と言われて、何を返せばいいか分かんないし...
だったら、そっとして..
「俺...翔くんのこと、好きだったよ~」
「えっ?」
「翔くん、恋人いるっぽかったし。割って入ろうなんておこがましいからいう気なかったけど...」
「まる...」
「翔くんってね、そっち系の人に、絶対人気あるから...気を付けた方がいいよ!
自分で分かってないと思うけど、そういう人には、堪らないフェロモン、撒き散らしてるんだよね~///」
...あ..そうなんだ...
見る人が見れば、分かるのかな~?
俺、そっち系じゃないつもり、だけど...
実際に恋人は男だし...
「き、気を付けるよ...」
俺は丸山に、曖昧な返事を返しておいた。