第4章 もがき苦しむ中で
翔「バスケ部に入ったの?」
雅紀「うんん、俺、選抜に選ばれているから、
学校の部活には入ってないんだ...」
翔「そうなんだ~、凄いね、雅紀..くん」
と言うことは、俺がバスケなんか始めても、
対抗試合でバッタリ会うことなんか、
なかった、って訳だ...
雅紀「ねえ!そのさ、雅紀、っていう呼び方、
なんか、よくね?呼び捨て、してよ...」
翔「えっ?うん...じゃあ、雅紀...
なんか、照れくさいよ~」
雅紀「いいじゃん、いいじゃん!!
中学生になった、って感じでさ♪
じゃあ、俺も、翔、って呼んでもいい?」
翔「もちろん!学校の友達も、そう呼ぶし...」
俺のその言葉に、雅紀は少しだけ、
寂しそうに笑いながら、
雅紀「翔、友達出来て、よかったね!
知り合い、誰もいなかったもんね~」
翔「心配してくれてたの?」
雅紀「...ホントはさ、俺も、翔と、
同じ学校行きたくて、親に言ったら、
『お前みたいなバカがいける訳ない!』
ってさ。もう全否定だよ~。
失礼だよな~半分親のせいだ!っつ~の///」
翔「ははははっ」
......雅紀といると、
どうしてこんなに素直になれるんだろう...
本当の自分が、雅紀の前なら、普通に出せる...
雅紀「親と言えばさ、翔のお母さん、
もしかして、赤ちゃん産まれるの?」
不意に言われ、俺は赤くなった。
俺が赤くなることでもないのに...
翔「そうなんだよ...いい年して...だよな~」
すると雅紀は、
雅紀「翔、よかったね!!兄弟欲しがってたよね!
念願叶ったじゃん♪俺も楽しみだな~...
赤ちゃん...翔に似て、可愛いんだろうね」