第24章 一緒に生きるということ
【 翔side 】
実は俺、この日のために指輪を用意していた。
エンゲージリングとか、結婚指輪とか、そう言うのじゃないけど...
ペアリング...お揃いで、イニシャルも入れてもらった。
もし...
親父たちが俺達の関係を認めてくれたら、
船の上で。
夜景を見ながら渡そうって思っていた。
「翔...これって...!?」
予想通り、雅紀が驚いてリングを見ている。
「ペアリングだよ、仕事柄、指に着けるのが難しいときは、ネックレスに通して...
お互いに、いつも身に付けていたいんだ...」
「翔...俺...」
「束縛するつもりもないけど...俺はもう、雅紀とずっといるって、そう決めているから...
だから...」
「翔...」
雅紀の目から、また大粒の涙が零れ落ちた。
「雅紀...愛してるよ..
ずっと、一緒に生きて行こう!」
「...翔...」
「ふふふっ、さっきから何度俺の名前呼ぶんだよ~?」
「だって、俺さ...」
雅紀が手の甲で涙を拭うけど、また直ぐにキラキラと綺麗な雫が頬を伝わった。
「...いい、よね?」
返事、聞いてないし...ダメとか言われたら驚くけどさ。
「翔...あ、違う...じゃなくて///
もう、俺、頭ん中、パニックで...
えっと...翔...やばっ///また、呼んじゃった!!」
しどろもどろの雅紀に、俺はついに大爆笑した。
すると彼は困ったように頭を掻いていたけど。
気を取り直すつもりなのか、パンパンと自分で頬を二回叩き、
↑お相撲さんじゃ、ないよね?
「ありがとう。俺も、翔とずっと生きていたい!!...です!よろしくお願いします!」
雅紀はそう言いきって、俺に向かって90度に腰を折ってお辞儀した。
...もう、折角のムードが...(^^;