第24章 一緒に生きるということ
でも何だか、雅紀らしいよ...
なら、俺も♪
「こちらこそ。どうぞよろしくお願いします!」
雅紀のマネをして、90度の、ご丁寧なあいさつをした。
......夜の横浜。
眩いばかりの夜景をバックに、営業紛いのお辞儀をする、男同士のカップル...
客観的に見ると、すげ~間抜けで、笑える、けど...
俺と雅紀らしくて、凄くいいな...
「...雅紀、はめてみる~?」
「あっ、う、うん...」
俺は雅紀の左手を取って、その薬指に指輪をはめた。
「ぴったりだね、流石は翔!」
「まあ、その辺は、ね~♪
んで?俺にも着けてくれないの?」
「うん。......なんか、緊張する...自分でさえ指輪なんか嵌めたことないのに(´・ω・`)」
それでも何とかお互いの指の付け根に収まったそれを、クロスさせるように上に翳してみた。
指に収まったシルバーを夜景にかざして、雅紀は嬉しそうに眺めてる。
「翔、ホントにありがと。何回言ってもまだ足りないくらい...」
「雅紀...」
俺はそんな雅紀の腰に手を回して引き寄せた。
「翔...」
「幸せになろうね...」
雅紀の瞳に、キラキラ光る夜景が映り込んで、ホントに綺麗だ。
「目、瞑って...」
.....誓いのキスだよ、雅紀...
雅紀がいるから、
雅紀がいたから。俺がいる。
俺が俺でいられるんだ。
愛してる.....
生涯、愛するのは雅紀、君だけだよ。
微かに震える雅紀の唇に、自分のを重ねると、涙の味がした。
俺たちはこの日、
新しい一歩を踏み出したんだ。
何があっても、乗り越えていけるよね。
二人一緒なら....
雅紀への永遠の愛を誓ったその瞬間、
ベイブリッジの大きな影が、
俺達を包み込んだ。